かけ算は、2年生の重要な単元です。3年生のわり算、高学年の単位あたり量(密度 速さ 濃度)、中学の関数、高校の微積分へと繋がる大切な概念を学ぶ入り口です。九九を覚えるのはほんの始まりにすぎません。かけ算の学びについて『九九でうたう まいごのクーちゃん』巻末に、水道方式のmethodでご紹介しています。
文章題が苦手という原因に文章の読解力不足がよく問題視されますが、かけ算・わり算の意味をきちんと理解してるでしょうか。水道方式では、かけ算・わり算の入門期に実際に具体物とタイルを操作することでかけ算・わり算のイメージを体得します。次にそのイメージを構造化した「かけわり図」を自ら描いて、文章題を解き進めていきます。2年生のかけ算のスタートから、5・6年生の単位当たり量、中学・高校の学びまで一貫してひとつのイメージで学びを積み上げていきます。水道方式が文章題に強い理由がそこにあります。
数育会 田中恭子著「お母さんの算数教室」テキストより
※「水道方式」は、1958年東京工業大学教授の遠山啓氏を中心とする研究グループが考え出した理論で、膨大な計算量を型分けし、計算指導の道筋を示したものになっています。現在でも数学教育協議会(数教協)をはじめ、多くの人たちが研究・実践を行っており、「SUIDO・METHOD」という名前で国際的にも評価を得ています。 「水道方式」では、半具体物の教具としてタイルを使い、数字が持っている量を体感しながら学習していきます。そして分析・総合の考え方に基づき、文章問題も筋道立てて考えていけば、自分で解いていく力を養っていけるということを明らかにしました。
問題
みんな乗ったね 三輪車。
3台あったら タイヤはいくつ?
「まず1あたりの数はピンクで3つでしょ…
いくつ分が黄緑で3
そして、タイヤは3こずつふえて…
あっ‼答えわかった!」
問題
4つのタイヤの乗用車。
5台あったら タイヤはいくつ?
「1あたりの数をピンクで4つおくでしょ…
で、いくつ分が5台分。
で、タイヤは4こずつふえていって…
あっ、横5つのタイルが5のタイルに変身できる!4段あるから、ぜんぶで20!かんた~ん!」
問題
壊れた水道の蛇口から 1分間に2dlずつ水がもれています。このもれる水で40dlためるには、何分かかりますか。
「1分あたり2dlでしょ。聞かれているのが何分だから、40dlが全部の量だな…。横どうしの単位もそろってるし…
これでよしっ!わり算だー!」
問題
砂糖水1gの中に 0.07gの砂糖が含まれています。この砂糖水が200gあるとき、この砂糖水に含まれている砂糖は、何gですか。
「あら!単位がどれもgかぁ…ううむ??,
まてよ~砂糖水1gあたり0.07gの砂糖でしょ、そしたら聞かれているのも砂糖水200g分の砂糖の量だから…そっか!かけ算か!」
水道方式算数 たし算・ひき算の動画もご覧いただけます。